現在イギリスのアセット・マネジメント会社の日本株アナリストとして勤務されている個人共創パートナーの島田真己子さんに、人的資本への取り組みと社会で共創する次世代教育「any」の将来性について聞きました。
島田 真己子
2017年東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券株式会社投資銀行部門にて企業のM&A助言業務等に従事。2021年より英国のアセット・マネジメント会社であるアセット・バリュー・インベスターズ・リミテッドに日本株アナリストとして勤務。2022年、anyに個人共創パートナーとして参加。
今までのご経歴から企業経済や今後の企業動向予測などに深く関わるお仕事をされてきたかと思いますが、次世代教育の分野で「わたしの未来はイキテル‼社会人6.9人で1人の若者を支えられる時代の、日本の未来共創プロジェクト」に協賛された理由は何ですか?
ー 成長する企業を調査する中で見つけた「次世代への人材投資」の取り組み any
現職のアセット・マネジメント会社においては、投資対象となる日本企業の調査を行っており、「成長する企業・稼ぐ力がある企業はどれだろう?」ということを日々念頭に置いています。調査の過程で、企業には「モノ・カネ・情報・時間」といった経営資源があると思うのですが、その資源の根底となっているのはやはり経営者であり従業員であり「人財」が最も重要な資源であるということを実感しています。
また、昨今ではESG投資の観点からもダイバーシティや人材育成といった「人的資本への取り組み」が重要視されてきており、今後は人財の重要性が一段と高まるはずです。そんな中、次世代への人材投資に関わることができる機会を探していたのですが、なかなかそのような機会はなく、若者を対象にしたプログラムを実施しているanyを知った際に「これだ!」と思い協賛するに至りました。
高校で一度キャリアを閉ざされ、そこから東京大学進学に向け勉強をされる姿や、時代の状況変化を受けてキャリア志向を変化させるなど、島田様にはレジリエンス能力や周囲(時代)の変化に合わせて成長のベクトルを変えることに長けていると思いますが、島田様自身では、過去の成長の際に必要だった力は何だと思いますか?
ー 自身の価値観を明確にし、良い意味で自分本位に行動した結果自己実現を叶える
自身の価値観を明確にする力だと思います。高校ではピアニストになりたくて練習に明け暮れたり、大学では会計士になりたくて専門学校に通ったり、現在のアセット・マネジメント会社での株式調査という仕事に就くまでに紆余曲折ありました。正直に申し上げますと、「自分のありたい姿」をはっきりと想像できていなかったです。
社会人となり1年目で米系投資銀行に入社してグローバルな環境で働くなかで「国境を越えて金融の世界で挑戦したい」という気づきに至ってからは、「海外で働くためには」「金融業界の中で長く活躍し続けるには」という視点で良い意味で自分本位に行動することができ、現職で自己実現することができたかと思います。
島田様も 20 代ですが、実際にグローバル企業で働かれて感じる、身近にいるリーダーシップを発揮して活躍している人材の特徴はどこにあると思いますか?
ー 自身の中に明確な価値観があり、その軸を変えずに、主体的に行動し続けられる人
現職のアセット・マネジメント会社では、私と同い年のイギリス人の同僚がいるのですが、大学を卒業したばかりのイギリス人メンバーから、日本の大企業のアドバイザーを務めるシニアの日本人メンバーまでを率いるスーパーなリーダーです。彼は日本株の調査責任者として、魅力的な投資機会を発見するためのビジョンを共有し、自らも積極的に調査を行うことで、年齢や国籍を超えたチームメンバーをインスパイアし続けています。加えて、彼はあらゆるステークホルダーにも接し方が均等で、周囲の人がついていきたいと思える人柄でもあるのかなと思います。
メンタリングプログラムは、日本ではスタンダードではないですが、個人主義社会の欧米では学生のうちから利用することが多くあります。日本でも今後インディビジュアリズムがますます進み、個人に合わせてパーソナライズな成長支援ができるメンタリングは活況になると考えていますが、そういった観点から島田様が any に期待する点は何ですか?
ー メンタリングは、当たり前の存在
メンタリング・プログラムは、大学の授業や企業の集団研修とは異なり、個人のその時々の状況や課題に合わせてアドバイスを得ることができる点で信頼感がありますし、先輩や業界の経験者に必死にお願いして捕まえなくても「メンターが相談に乗ってくれるための時間を設けてくれている」という点で安心感もあります。
前職の米系投資銀行では、役職に関係なく従業員全員がメンタリングを受けるシステムがあり、また、現在も個人的にメンターをお願いしている方がいるので、私にとってメンタリングは当たり前の存在になっています。
社会人になってからキャリア相談でメンタリングを活用しているわけですから、キャリアの大事な選択を迫られる学生時代にanyのようなプログラムがあれば必ず参加していたと思います。そういった意味では、anyが多くの学生の皆さまにとって当たり前に活用する場所となり、自身の価値観で就職活動ひいてはその先のキャリアについて気づくきっかけを作れる場所になれば理想的ではないかなと思います。
最後に、パートナーとして any と今後どのような関わりを続けていきたいですか?
ー 教育インフラに向けて、社会人の方への存在認知を拡大していきたい
anyで次世代を担う学生の皆様との交流を通して、微力ながら学生の皆様のキャリアの気づきのお手伝いをできれば嬉しいです。特に、もしも「海外で働いてみたい」という方がいらっしゃれば、「日本生まれ日本育ちの所謂純ジャパでも、英国でもキャリアを築けるんだよ」ということを示せればと思いますので、ご興味があられる方がいらっしゃれば気軽にお声がけください。
また、anyが社会にとって当たり前の教育インフラとなるように、学生の方だけでなく社会人の方にも存在を認知を拡大できればと思います。